創業者・鶴 三郎

創業1966年以来、学術雑誌の買取販売を専門に行う東亜ブックを創業した、鶴三郎の生い立ちや人生観について紹介します。東亜ブックの古書の買取・販売への想いを少しでも感じて頂けますと幸いです。

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創業者の思い

この仕事の楽しさは歴史を学べること。

日本の歴史というのは、日本からじゃなくて、海外の本から出てきてるものも多いんです。例えば、下田条約の調印のときの写真は、イギリスの週刊新聞『イラストレイテド・ロンドン・ニュース』から出てきた。それが、1826年が創刊なんですよ。そういう本を扱うと、やっぱりうれしいもんです。

好きというか、もう、ただ楽しい。

やっぱり、趣味と実益が一緒になっている。誰にもじゃまされずに没頭できるんです。

相手がハッピーなことをしてあげる。

お金もうけも大切だけどそれだけじゃない。だから、ちゃんとやることですよ。どんな場合でも。どんな場合でも一生懸命やることですよ。そうすればね、ちゃんとね、お客さんがね、お客を増やしてくれますよ。商売って、そういうもんだと思うんです。

創業者 「鶴 三郎」の生い立ち

  • 高校卒業後に上京

    高校卒業後、兄貴を頼りに九州から上京。特急あさかぜに乗り、朝9時の便で出発すると翌朝の7時41分に着いた。22時間41分の道のりである。迎えに来るはずの兄貴は麻雀を理由に待ち合わせ場所に12時間遅れた。

  • 玩具会社へ入社

    1960年

    新聞広告の募集欄で、浅草の玩具メーカの下請け会社に務める。月曜から土曜までの朝8時から夕方6時まで働いた。初任給は6,000円。初の給料日に人生で初めて自分にかかってきた電話に緊張して出ると、電話は兄貴から。電話の内容は「俺の大学の授業料をお前の初任給で払ってこい」。昔から長男は偉いものであり、私にしてみりゃ当たり前のことだった。

  • 新聞専売所で新聞配達

    1961年

    すぐに出来る仕事を探し、高円寺の新聞専売所で住み込みの新聞配達を開始。住み込みのおっちゃんの酒グセがとにかく悪かった。

  • 東洋信託銀行へ入社

    1961年

    銀行の証券部門で勤務を開始。きっかけはアルバイトの募集だった。当時は仕事を探すのはとても簡単であった。ここで約1年間働いた。

  • アメリカ公使館で英語を覚える

    1962年

    銀行を退職後、手書きの履歴書を自分で書いて、アメリカ大使館へ仕事を貰いに直接行った。当然採用はしてくれなかった。大使館で仕事が欲しいとごねる私のうるさい様子を見かねたのか、大使館に勤める日本人のおばさんが、アメリカ公使館への紹介状を書いてくれた。公使館へ紹介状を持って行くとすぐに採用してくれた。大使館に行った理由は単純で、英語を勉強するためだった。公使館ではハウスボーイとして、掃除や電話の取次、プールの掃除などなんでもやった。プールがまたでかかった。

  • 洋雑誌会社で輸出入の経験を積む

    1963年

    公使館の方から「あなたはね、一生、こういう働きかたするもんじゃないから、英語を身に着けて、どこか仕事を探しなさい」と言われた。ジャパン・タイムズを読んでいると、洋雑誌会社が従業員募集の広告を出しており、採用してもらうことができた。公使館で覚えた英語も使いながら、輸出入の仕事を覚えた。3年間お世話になり、独立することを決心した。

  • 東亜ブックエクスポートを設立

    1966年 24歳

    日本の大企業の図書室には国内で買い手がつかない学術専門書をたくさん持て余していた。そこに目をつけて、国内で買い手がつかない本をリストにして、外国の本屋に売った。ヨーロッパで有名な科学技術雑誌のバックナンバーを、アメリカの本屋に逆輸出した。アメリカでも入手が困難なことは分かっていたので、これはビジネスになると思った。これが、東亜ブックエクスポート設立のきっかけである。

  • 本を仕入れにヨーロッパへ

    26歳

    日本に大学がポコポコとできはじめると、大学の図書館に入れる洋雑誌のバックナンバーの需要が出てきた。大学に本を卸す書店は古い洋雑誌の知識が無いので、大学と日本の書店の仲介をした。独立して2年目の26歳、産まれて初めて飛行機に乗ってヨーロッパへ本を仕入れに向かった。まだ、1ドル360円、ポンドが1,080円の時代であった。アメリカ公使館で覚えた英語が役立ったのは言うまでもない。

  • 株式会社東亜ブックへ改名

    1968年

    株式会社東亜ブックへ改名した。

    大学や図書館が不要になった書籍を買い取り、それらを必要とする新たな大学や図書館へ、書籍を提供し、学術雑誌の有効活用を積極的に進めている。

  • AMAZONでの販売も開始

    2015年 74歳

    学術専門書を求める学生や教職員の個人の需要に応えるために、独自ECサイトとAMAZONでの販売も提供。従来通りのカタログ販売に加え、オンライン販売も提供することで、幅広い学術書の循環利用をこれからも促進する。